植田研究室 〜 新型センサの研究開発 〜
生産システム分野 博士後期課程2年 播磨 幸一
植田研究室では、大量生産・高信頼・超小型なセンサやセンシングシステムの研究開発を目標にした研究開発を行っています。研究室の特徴としてまず挙げられるのが、基本的な実験設備は出来る限り自作していくという点です。これは植田先生の研究姿勢である「物づくりのための要素部品はほとんど自作することにより、優れた物を作れるだけでなく、研究開発に対する理解がより深まる」からきています。その他の特徴として、留学生の多さが挙げられます。研究室の構成メンバーは、修士6名、博士7名、ポスドク2名、事務員1名で、修士の学生の半数は留学生が占めています。実際に研究室では、共通語は日本語と英語であるにもかかわらず、ロシア語、英語や中国語が飛び交っていることがあります。筆者も植田研究室の一員になるまでは、この様な環境で学生生活を送ったことがなく、最初は少し戸惑いましたが、今は週末に研究室の仲間と釣りに行ったりしながら研究を進めています。
それでは植田研究室の研究テーマについて簡単に述べます。この記事を読んでいる皆さんは、まずセンサやセンシングと聞いて何を思い浮かべますか。例えば、洗濯機等の家電製品のセンサでしょうか。センサやセンシングは、バイオ・環境、医療・福祉、情報・通信、流通・物流等の多種多様な分野で使用されています。我々は、新しいナノテクノロジーやレーザー技術などを取り入れた新型センサの研究開発を行っています。研究開発は研究のための研究という態度でなく、研究成果を社会に還元するために、開発成果を実際に使用できるレベルにまで高めた研究開発を目標としています。高度研究開発を行うために、研究室では自作でありますがクリーンルーム内の特殊な微細加工プロセス、すなわち立体加工が出来るようなマイクロ・ナノ加工プロセスを立ち上げ、さまざまなMEMS(Micro Electro-Mechanical Systems)の研究開発を実施しております。MEMSとは、半導体で使われるシリコンウエハやガラス基板の上に、主に半導体の製造技術を用いて作るマイクロオーダーのデバイスを作成する技術であり、主にセンサ等のように電子デバイスだけでは実現できないデバイスに応用されます。このMEMS技術を用いることで、従来のセンサでは実現できなかったような、実装密度が高く、より小型で高感度のセンサの実現が可能になります。現在開発中のデバイスで代表的なものを挙げると、超高感度傾斜角センサ、高感度容量検出回路、水素センサ、次世代水晶振動子の研究開発、フォトニックバンドギャップファイバによるppb以下の高感度測定技術、LIBSによる微粒子や材質測定等の具体的なデバイス技術開発があります。また、これらの具体的な研究開発以外にマイクロ・ナノ加工のための基礎研究等も実施しています。例えばこの中で、水素センサは、次世代エネルギーとして期待されている燃料電池の燃料である水素のガス漏れを感知するためのセンサです。植田研究室の研究は、福岡県・環境省、経済産業省、新エネルギー開発機構、早稲田大学、企業から多額の補助金や寄付金を受けて研究を進めています。
植田研究室は北九州の学術研究都市内に早稲田大学大学院情報生産システム研究科が設置されると同時に発足し、創設5年とまだ歴史の浅い研究室ですが、企業出身の植田教授の元、植田教授が培われたセンサやセンシング技術を元にして、MEMS技術とレーザー・レーザー応用技術を中心にした、センサやセンシングシステムなどの研究開発を行っています。
もし植田研究室に興味をもたれた方がいましたら、是非訪ねてみて下さい。いつでも、誰にでも開かれています。
バーベキューパーティ
左から2番目が植田教授、右端が筆者
大隈重信像前での卒業記念撮影
左から4番目が植田教授
研究室で自作したクリーンルーム